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Red Star OS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Red Star OS
Red Star 3.0
開発者 KCC(朝鮮コンピューターセンター
OSの系統 Linux
開発状況 開発中
ソースモデル シェアウェア / クローズドソースソフトウェア
最新安定版 4.0
使用できる言語 朝鮮語[注 1]
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI KDE
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Red Star OS
各種表記
チョソングル 붉은별
発音ビョ
RR式 Bulgeunbyeol
MR式 Pulgŭnbyŏl
英語表記: Red Star OS
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Red Star OS(レッドスターオーエス、朝鮮語: 붉은별[注 2])は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のLinuxディストリビューション。このOSは、1998 年に朝鮮コンピューターセンター(KCC) で開発が開始された。Fedoraをベースとしている。

Red Star OS のリリース以前、北朝鮮のコンピュータは通常、文化語 (朝鮮語)パックがインストールされた Microsoft Windows の改変版をOSとして使用していた[1][2]

コンテンツ

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ブラウザ

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Red Star OSには、Mozilla Firefoxを改変したネナラ(朝鮮語で「我が国」の意)というウェブブラウザが搭載されている。これは、光明ネットワークとして知られる北朝鮮の国家イントラネット上でネナラウェブポータルなどを閲覧するために用いられる。

その他のソフトウェア

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その他のソフトウェアとして、テキストエディタオフィススイート電子メールクライアントメディアプレーヤーファイル共有ソフトゲームなどが含まれる[3][4][5]

Red Star OSOS 3には、Sogwang Office(ソグァン・オフィス、曙光オフィス)と呼ばれるOpenOfficeの改変版が同梱されている[6]

概要

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2010年頃にロシア人留学生がバージョン2.0のメディアを持ち出して、インターネット上のP2Pに流出させたことがある。

バージョン2.0のディストリビューションはCD-ROM2枚組で構成されており、1枚目にはインストーラとコアパッケージ、2枚目には追加アプリケーションが収録されている。パッケージ管理にはRPM形式が採用されている。インストーラは朝鮮語のみとなっている。Windowsとのデュアルブートがサポートされている。カレンダーには主体年号が使用されている。また、起動音に「アリラン」が用いられている。

マニュアルは「設置指導書」と書かれた15ページのインストール手順書が添付されているだけである。「始めに」の冒頭には「偉大なる指導者 金正日 同志は次の通り指導されました。《プログラムを開発する上での基本は、我が国独自のOSを開発することである。》」と記述されている。

STEPI(韓国科学技術政策研究院)が「Red Star 2.0」を実際に入手して詳細な分析を加えた上で、同オペレーティングシステムはLinuxをベースにしているものの、マイクロソフトの古いバージョンのオペレーティングシステムの影響を大きく受けており、機能面では10年程度は時代遅れであると判断した[7]

パッケージのアップデートも北朝鮮国内のサーバに接続する必要があり、国外の一般的なyumリポジトリサーバを指定してもアップデートを行うことは出来ない。

近年北朝鮮ではコンピューターウイルスへの感染や機密流出といった重大インシデントが多発している[8]。そのため、セキュリティ強化を狙い労働党や行政機関に導入が進められている北朝鮮の国産パソコンには、Red Star OSが搭載されている[8]

仕様

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このOSは、KDEソフトウェアコンピレーション英語版をカスタマイズしたバージョンを使用している。以前のバージョンは、KDE 3ベースのデスクトップ環境だった。

バージョン3は、前バージョンと同様に、WindowsプログラムをLinux上で実行可能にする互換レイヤーであるWineを使用している[9]

バージョン3.0の外観はApplemacOSに酷似しているが、以前のバージョンではUIはむしろWindows XPに酷似していた[10][11]2013年に撮影された写真では、北朝鮮の現指導者である金正恩が机の上にiMacを置いていることを確認できるものがあり、こうした再デザインとの関連性を示唆する向きもある[12][13][14]

Red Star OSは文化語のみで提供されており、北朝鮮の用語と綴りを用いてローカライズされている[15]。ただし、BIOS上のブートメニューで言語を変更するか、ディスクイメージそのものを編集することで、当OS上で使用する言語を変更することは可能である[16]

システム要件
プラットフォーム必要条件
CPU 800 MHz Intel Pentium III[17][18]
メモリ 256 MB
空き容量 3 GB

脆弱性

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2016年、セキュリティ企業のHacker House英語版は、Red Star OSに標準搭載されている統合型ウェブブラウザであるネナラにセキュリティ上の脆弱性を発見した。この脆弱性によって、ユーザーが改ざんされたリンクをクリックした際に攻撃者はコンピュータ上で任意のコマンドを実行することが可能になる。[19][20]

メディアでの注目

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Red Star OS バージョン2.0に内蔵されているゲーム。アトミックス (コンピュータゲーム)英語版マインスイーパなどが含まれる。

日本に拠点を置く北朝鮮系の新聞である朝鮮新報は、2006年6月にRed Star OSの開発者2名にインタビューを行った[1]。その後、EngadgetOSnews英語版などの英語圏の技術系ブログ、および聯合ニュースなどの韓国の通信社がその内容を転載した[15][21][22]2013年末、平壌科学技術大学を訪問していたウィル・スコット (Will Scott) は、平壌南部の朝鮮コンピュータセンター (KCC) の販売店でRed Star OS 3.0のコピーを購入し、同OSのスクリーンショットをインターネット上にアップロードした[9]

2015年には、カオス・コミュニケーション・コングレス英語版に登壇したドイツ人研究者2名が、本OSの内部動作について解説した[6][23]。本システムは、コンピュータに接続されたリムーバブルメディア上の全てのファイルにウォーターマークを付加することが知られており[24]、これは外国の映画・音楽・文書の交換に使用されるUSBメモリを取引する地下市場の追跡に役立てるためのものとされる[25]

脚注

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注釈

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  1. コマンドプロンプトを使用すれば英語にも変更できる。
  2. 赤い(: 붉은)星(: )の意(漢字語ではなく固有語)

出典

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  1. 1 2 Kim, Chi-yong (21 June 2006), “〈민족정보산업의 부흥 -상-〉 《우리식 콤퓨터조작체계(OS) 》의 개발과 도입” (朝鮮語), Choson Sinbo, オリジナルの23 December 2007時点におけるアーカイブ。
  2. “North Korea's 'paranoid' computer operating system revealed”. The Guardian (英語). 27 December 2015. 2018年5月4日閲覧.
  3. Naenara: Exploring a North Korean Computer & Internet”. 高麗ツアーズ (2019年11月20日). 2021年8月14日閲覧。
  4. Locker, Theresa (2015年1月7日). “You Can Now Install the Original North Korean Operating System RedStar 3.0”. Vice News. 2021年8月14日閲覧.
  5. Tong-hyung (2010年4月5日). NK Goes for Linux-Based Operating System”. The Korea Times. 2026年5月1日閲覧。
  6. 1 2 Florian Grunow; Niklaus Schiess (2015年12月28日). Lifting the Fog on Red Star OS - A deep dive into the surveillance features of North Korea's operating system. カオス・コミュニケーション・コングレス英語版 32.
  7. 北朝鮮が独自の国産OS「Red Star」を開発、技術的には「10年遅れ」 - 2010年4月7日 GIGAZINE
  8. 1 2 洪, 麻里 (2025年7月31日). “<北朝鮮内部>重要機関で中国製パソコンを国産品に切り替え ウイルス感染多発、情報流出も警戒 部品は中国製”. アジアプレス・ネットワーク. 2025年8月9日閲覧.
  9. 1 2 Williams, Martyn (2014年1月31日). North Korea's Red Star OS Goes Mac”. North Korea Tech. Martyn Williams. 2014年7月23日閲覧。
  10. “Apple's Mac OSX imitated in latest North Korea system”. BBC News (イギリス英語). 5 February 2014. 2017年8月31日閲覧.
  11. Sparkes, Matthew (5 February 2014). “North Korean computers get 'Apple' makeover”. Telegraph.co.uk (英語). 2017年8月31日閲覧.
  12. Apple's Mac OS X imitated in latest North Korea system”. BBC News (2014年2月5日). 2026年4月14日閲覧。
  13. North Korean computers get 'Apple' makeover”. The Daily Telegraph (2014年2月5日). 2014年2月6日閲覧。
  14. England, Lucy (2015年6月2日). North Korean computers get iMac makeover”. Business Insider. 2022年7月7日閲覧。
  15. 1 2 Nam, Hyeon-ho (3 March 2010), “ko:北, 독자적 컴퓨터 운영체제 '붉은별' 개발” (朝鮮語), Yonhap News 2013年1月23日閲覧。
  16. Notes on Red Star OS 3.0 (英語). messaroundery.net (2015年1月1日). 2024年10月29日閲覧。
  17. “A Visual Guide To North Korea's Totalitarian Operating System”. Fast Company (アメリカ英語). 23 September 2014. 2017年8月31日閲覧.
  18. North Korea's Red Star OS takes the 'open' out of 'open source'”. Engadget (2010年3月4日). 2017年8月31日閲覧。
  19. RedStar OS 3.0: Remote Arbitrary Command Injection”. 2016年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  20. Wei, Wang. “North Korea's Linux-based Red Star OS can be Hacked Remotely with just a Link”. The Hacker News (アメリカ英語). 2017年8月31日閲覧.
  21. Holwerda, Thom (2009年3月4日). “North Korea Develops Its Own Linux Distribution”. OSNews.
  22. Flatley, Joseph L. (2009年3月4日). “North Korea's Red Star OS takes the 'open' out of 'open source'. Engadget.
  23. Wagstaff, Jeremy; Pearson, James (2015年12月27日). “Paranoid: North Korea's computer operating system mirrors its political one”. Reuters.
  24. Grunow, Florian (2015年7月16日). RedStar OS Watermarking”. Insinuator. 2026年5月1日閲覧。
  25. Pearson, James (2015年3月27日). “The $50 device that symbolizes a shift in North Korea”. Reuters.

関連項目

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外部リンク

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