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虚時間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
実時間と虚時間の関係は直交する軸として視覚化できる。

虚時間(きょじかん、imaginary time)は、虚の時間、つまり、単位時間の虚数(純虚数)倍で表される時間である。

虚時間と特殊相対性理論

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ローレンツ変換不変量である4次元距離

{\displaystyle s^{2}=(ct)^{2}-(x^{2}+y^{2}+z^{2})\,}

で表される。ここでは、時間と空間は対称ではない。しかし、虚時間を {\displaystyle \tau =it} と置くと、

{\displaystyle s^{2}=-\{(c\tau )^{2}+x^{2}+y^{2}+z^{2}\}\,}

となり、虚時間(の {\displaystyle c} 倍)と空間との間に対称性が成立する。このため、特殊相対性理論を虚時間を使って記述すると、数学的取り扱いが容易になる。たとえば、ミンコフスキー時空4次元ユークリッド空間となり、ローレンツ変換回転となる。

虚時間と温度

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量子統計力学においては、虚時間は逆温度と融合する[1]。すなわち

{\displaystyle \Theta :={\frac {t}{\hbar }}-i{\frac {1}{k_{\mathrm {B} }T}}.}

ここで kBボルツマン定数ħ換算プランク定数である。この観点からは、エネルギーの逆数の次元を持つ複素パラメータが現象として現れる際にその実部が時間に、虚部が温度に分かれると考えることが自然となる。

宇宙論における虚時間仮説

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宇宙論においては特異点定理といって従来の宇宙創成理論ではこの宇宙の物理法則は成立しえないはずだという問題が発生したのだが、これを避けるために虚時間において宇宙は生まれたのだと考えればよいという仮説が提示され、これに基づく主張のことはハートル=ホーキングの境界条件と呼ばれている[2]

脚注

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  1. 新井朝雄『熱力学の数理』日本評論社、2020年、155頁。ISBN 978-4-535-78918-0
  2. 森田邦久 『量子力学の哲学 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性』(講談社、2011年) 186ページ ISBN 978-4-06-288122-7

関連項目

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虚時間
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