キララちゃん
| まちづくり活性化バス「キララちゃん」 | |
|---|---|
|
関東鉄道の現行車両 日野・ポンチョ | |
| 愛称 |
キララちゃん[1] キララちゃんバス[1][2] |
| 運行開始 |
2005年3月1日(試験運行開始)[3] 2007年4月1日(本格運行開始)[3] |
| 自治体 | 茨城県土浦市 |
| 委託事業者 | 関東鉄道土浦営業所 |
| 登録番号 | 土浦ナンバー |
| 系統数 | 3[4] |
| 備考 | 運行主体はNPO法人まちづくり活性化土浦[1] |
| 外部リンク | https://npo-kirara.org/ |
キララちゃんは、茨城県土浦市でNPO法人まちづくり活性化土浦(まちづくりかっせいかつちうら)が主体となって運行するコミュニティバスの愛称[1]。正式名称はまちづくり活性化バス「キララちゃん」[1]。なお同法人では、中心市街地活性化バス「キララちゃん」あるいは「キララちゃんバス」の呼称も用いている[1]。また書籍でも「キララちゃんバス」の名称で紹介している例がある[2]。
2005年(平成17年)3月1日から約2年間の予定で運行開始[3]、2007年(平成19年)4月1日より本格運行へ移行した[3]。
「キララちゃん」の名称は、「土浦キララまつり」のイメージキャラクターとして誕生した「キララちゃん」に由来し、コミュニティバスの名称とラッピングデザインにも採用された[5]。2009年には「キララちゃん」の着ぐるみも制作され[6]、コミュニティバスのPR動画にも出演[7]している。
NPO法人まちづくり活性化土浦は、コミュニティバス運行を中心としたまちづくりを行うNPO法人であり[1]、コミュニティバス運行においては、同法人と土浦市、運行事業者である関東鉄道(土浦営業所が担当)との三者協定に基づく協働事業として、官民一体の地域活性化をその目的としている[1]。地元のNPO法人や市民団体が運行主体の自主運行型コミュニティバスとしては、生活バスよっかいち(2002年、三重県四日市市)、醍醐コミュニティバス(2004年、京都市伏見区醍醐地区)に続くものであるが、前2者が既存一般路線バスの廃止代替バスとして始まったのに対し、「キララちゃん」は中心市街地活性化を主目的とする新規路線である点が特筆される[3]。
歴史
[編集]土浦市は古くからの城下町で、茨城県南地域の中心的な都市であり、裁判所や税務署など国や県の行政機関が多数置かれ、県内商業の集積地でもある[3][2]。だが、モータリゼーション進展などに伴うドーナツ化現象により、中心市街地の商業衰退が進んでいた[3]。
すでに土浦市内では1990年代、中心市街地の商業活性化を目的としたバス運行の実績があり、1997年(平成9年)の一時期、土浦商工会議所が「無料買い物バス」を運行していた(中型バス車両を使用)。この「無料買い物バス」は、当初予想の倍の利用者があったものの、「集客に結びつかなかった」との意見[8]も出ていた。
2001年(平成13年)4月、市内の商業関係者有志により、中心市街地活性化を目的としたコミュニティバス運行に向け検討を開始[3]。2004年(平成16年)にバス運行および地域通貨発行などの事業主体としてNPO法人の設立申請を決定[3]、同年7月にNPO法人まちづくり活性化バス土浦を設立した[3]。翌2005年(平成17年)3月1日より、まちづくり活性化バス「キララちゃん」の試験運行を開始[3]、地域経済活性化と公共交通利用促進を目的として中心市街地の回遊性向上を図る運行ルートを設定[3]。2007年度より本格運行へ移行した[3]。
2005年の試験運行開始時には、小型バス路線と乗合タクシー路線を設定した[3]。しかし試験運行開始後も中心部の商業衰退傾向は変わらず、周辺部の住宅地と鉄道駅の間で利用する乗客が多かったことから、本格運行に際して需要に合わせ、AコースとCコースで車両を入れ替え、Cコースをジャンボタクシーから小型バスへ、Aコースを小型バスからジャンボタクシーへ、それぞれ変更した。本格運行移行後の2007年4月から9月までの乗車人数は71,343人(市のまとめによる[要文献特定詳細情報])。
コミュニティバスの試験運行にあたっては、国土交通省および土浦市・土浦商工会議所から支援を受け、以下の事業を利用した[3]。
- 土浦市・土浦商工会議所「バス運行支援事業」2004年度~
- 国土交通省「バス利用促進等総合対策事業」2005年・2006年度
- 国土交通省「公共交通活性化総合プログラム」2006年度
2007年度の本格運行移行にあたっては、以下の運行内容が正式に定められた[3]。
- 運営主体はNPO法人まちづくり活性化バス土浦、運行主体は関東鉄道、それに土浦市を加えた三者協定による事業とする。
- 路線は、全路線がJR常磐線土浦駅を起終点とする循環路線とし、3路線(Aコース、Bコース、Cコース)を設定して、市内の中心市街地や公共施設などを経由する。
- 運行ダイヤは、既存一般路線バス路線などとの乗継を考慮したものとする。
- 運行時間は8時30分から20時頃、便数は各コースとも左右回りで計45便、所要時間は各コースとも1周約35分。
- 運賃は均一運賃とし、1乗車につき大人100円(小人50円)、未就学児は無料。障害者とその介助者は無料。
- 一日乗車券は大人300円(小人150円)、
- 車両は、Aコースはジャンボタクシー1台(10人乗り)、B・Cコースは小型ノンステップバス2台(28人乗り)。
- 中心市街地商業活性化のため「地域通貨キララ」を発行する(詳細は「#地域通貨キララ」を参照)。
また、公共施設や大型商業施設のバス停留所にはパークアンドバスライドの無料駐車場を設置することで、自家用車からコミュニティバスへの乗り換えを促した[3]。
運行受託事業者は関東鉄道(試験運行開始時より土浦営業所が担当)。2017年度までは、Aコースは土浦地区タクシー協同組合が受託していたが、2018年度より同組合が撤退し、Aコースも関東鉄道へ移管された。
運賃・乗車券類
[編集]2026年4月現在[4]。
運賃
[編集]乗車券類
[編集]- 専用回数券(150円券×22枚綴り3,000円など各種)
150円×22枚 3,000円(3,300円分)
地域通貨キララ
[編集]2007年の正式運行移行時に開始された制度[3]。協賛店で1,000円以上の買物をすると、コミュニティバス当日乗車証明券と引き換えに「地域通貨キララ」100円券を受け取れ、これをコミュニティバスの無料乗車券として利用できる、という地域商業振興策である(2007年3月時点の協賛店は82店)[3]。協賛店にはステッカーが掲示され、「地域通貨キララ」100円券は、紙に「キララちゃん」のキャラクターが描かれたもので、協賛店で押印してもらうことでバス乗車券として利用できた[3]。
また、「地域通貨キララ」を、100キララ×10枚1組1,000円で、NPO法人まちづくり活性化バス土浦事務局(土浦商工会議所内)で購入することもできた。「地域通貨キララ」には有効期限があった。
現行路線
[編集]2026年4月現在[4]。
全コースともJR土浦駅西口を起終点とし、運賃計算上、同駅をまたぐ乗車はできない[4]。バス停留所は、中心部は約100m - 200m感覚、周辺部は約300m間隔と、一般路線バスの停留所よりも短い間隔で設置している[4]。
以下は主要停留所のみ掲載。太字の停留所にはパークアンドバスライド用の無料駐車場を併設する。
Aコース 市民会館循環
[編集]- A-1 右回り:土浦駅西口 → 商工会議所→ → 真鍋3丁目 → クラフトシビックホール(市民会館) → ピアタウン → ラクスマリーナ → 土浦駅東口 → 港町中央 → 土浦駅西口
- A-2 左回り:土浦駅西口 → 東崎町 → 港町中央 → 土浦駅東口 → ピアタウン → クラフトシビックホール(市民会館) → 善応寺 → 商工会議所 → 土浦駅西口
土浦市民会館がある、市北部を循環する路線[2]。「ピアタウン」は、土浦市真鍋新町にあるショッピングセンター[9]。「ラクスマリーナ」とは、霞ヶ浦湖畔の土浦市川口にあるマリーナ(旧京成マリーナ・旧水郷汽船)[10]。
2007年の本格運行への移行時、利用状況を鑑みて車両を小型バスからジャンボタクシーに交換し、Cコース(霞ヶ浦循環)に代わって土浦港方面も経由するルートへ変更された。それに伴い、土浦地区タクシー協同組合に運行委託した。その後、2017年度末を持って同組合がコミュニティバス受託から撤退し、2018年度からは関東鉄道へ移管され、小型バスでの運行となった。
Bコース 亀城公園循環
[編集]- B-1 右回り:土浦駅西口 → 霞ヶ浦医療センター → 土浦保健所 → 大町南 → 生田町東 → 田中二丁目 → 亀城公園前 → まちかど蔵 → 桜町四丁目 → 土浦駅西口
- B-2 左回り:土浦駅西口 → 土浦駅西口 → 桜町四丁目 → 裁判所前 → 亀城公園前 → 田中二丁目 → 生田町東 → 大町南 → 土浦保健所 → 霞ヶ浦医療センター → 土浦駅西口
亀城公園や土浦保健所がある、市西部を循環する路線[2]。「裁判所前」停留所は、水戸地方裁判所土浦支部、土浦簡易裁判所[11]。
試験運行当時から利用が多い。国立病院機構霞ヶ浦医療センターでは、土浦市荒川沖地区のコミュニティバス「つちまるバス」にも接続する。
Cコース 霞ヶ浦循環
[編集]- C-1 右回り:土浦駅西口 → 富士崎町 → 滝田入口 → 霞浦の湯 → 大岩田団地入口 → 永国東町 → 四中地区公民館 → 富士崎町→ 土浦駅西口
- C-2 左回り:土浦駅西口 → 富士崎町 → 四中地区公民館 → 永国東町 → 大岩田団地入口 → 霞浦の湯 → 滝田入口 → 富士崎町 → 土浦駅西口
「霞浦(かほ)の湯」(土浦市国民宿舎「水郷」)[12]がある霞ヶ浦総合公園が所在する、市南部を循環する路線[2]。
大岩田団地をはじめとする新興住宅街や、行楽地を経由することから、試験運行当時より利用が多く、ジャンボタクシー車両1台では積み残しが出たことから、2007年の本格運行移行時に、Aコース(市民会館循環)と車両をジャンボタクシーから小型バスへ交換した。
車両
[編集]運行運行開始時から、バス車両は小型ノンステップバスを使用している。2005年の試験運行開始時に専用車両として、関東鉄道に三菱ふそう・エアロミディMEが2台、土浦地区タクシー協同組合に日産・キャラバンが1台配備された。
2018年に土浦地区タクシー協同組合が撤退し、運行事業者が関東鉄道に一本化されると、同年から日野・ポンチョ(HX系)を採用した。以下「社番」はいずれも関東鉄道の社内車両番号を指す。
現行車両
[編集]2024年現在。
- 社番2167TC - 2ドアロングボディ。2018年式、2DG-HX9JLCE、土浦200か1624。関東鉄道の自社発注車。
- 社番2233TC - 2ドアロングボディ。2020年式、2DG-HX9JLCE、土浦200か1759。関東鉄道の自社発注車。
- 社番2259TC - 2ドアロングボディ。2024年式、2DG-HX9JLCE、土浦200か1885、関東鉄道の自社発注車。
- 2024年式の導入により、ショートボディの9489TCは予備車とされ、3コースで使用される3台のポンチョが2ドアロングボディで統一された。
過去の車両
[編集]- 三菱ふそう・エアロミディMK
- 社番1889TC - 2005年式。PA-ME17DF(土浦200あ424)
- 社番1890TC - 2005年式。PA-ME17DF(土浦200あ425)
試験運行開始時に関東鉄道に2台導入。このほか同年に「キララちゃん」の狭隘路対応のため、同形式の予備車(関東鉄道カラー)が導入された。
- 1890TC
2007年11月撮影
- 日野・ポンチョ
- 社番9489TC - ショートボディ。2011年式、SKG-HX9JHBE(土浦200あ615→土浦200あ650)
2018年のAコース移管に伴い、土浦地区タクシー協同組合から関東鉄道へ移籍。そのままAコースで使用されていたが、2024年の新車導入により、乗車定員が少ないため予備車とされた。
- 9489TC
ショートボディ
2018年12月撮影
- 日産・キャラバン
- 土浦地区タクシー協同組合のワンボックスカー。2005年式、[[[日産・キャラバン#4代目(E25型_2001年-2012年)|4代目E25型]](土浦300あ202)
2005年の運行開始時、土浦地区タクシー協同組合に配備された専用車両。バス車両と同じ「キララちゃん」ラッピングが施されていた。2011年に日野・ポンチョのショートボディE(土浦200あ615)を導入して車両代替、バリアフリー化に対応した。
- 土浦300あ202
土浦駅西口にて
2009年12月撮影 - 土浦300あ202
土浦駅西口にて
2009年12月撮影 - 土浦300あ202
土浦駅西口にて
2009年12月撮影
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 当NPO法人について NPO法人 まちづくり活性化土浦、2026年4月24日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 『関東エリア 一都六県 コミュニティバス図鑑』pp.156-157「土浦市 キララちゃんバス」。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 土浦市(茨城県):キララちゃん NPO運営によるまちづくり活性化バス 国土交通省、2026年4月24日閲覧。
- 1 2 3 4 5 バス利用案内・路線 NPO法人 まちづくり活性化土浦、2026年4月24日閲覧。
- ↑ キララちゃんの部屋 NPO法人 まちづくり活性化土浦、2026年4月24日閲覧。
- ↑ キララちゃんデビュー キララちゃんバス(公式ブログ)、JUGEMブログ]、2009年8月11日、2026年4月24日閲覧。
- ↑ 2017 キララちゃんバスが走る! YouTube 神立商工振興会 公式チャンネル、2017年4月18日公開、2026年4月24日閲覧。
- ↑ 十勝毎日新聞[リンク切れ]
- ↑ ピアタウン 茨城県土浦市 ショッピングセンター
- ↑ ラクスマリーナ 旧京成マリーナ・旧水郷汽船
- ↑ 水戸地方裁判所土浦支部、土浦簡易裁判所 裁判所、2026年4月24日閲覧。
- ↑ 土浦市国民宿舎水郷 霞浦の湯
参考文献
[編集]- 『関東エリア 一都六県 コミュニティバス図鑑』株式会社スタジオ タック クリエイティブ、2018年4月10日発行。ISBN 978-4-88393-803-2
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- NPO法人まちづくり活性化土浦 キララちゃんバス - 公式サイト
- キララちゃんバス - 旧公式ブログ(JUGEMブログ)
- NPO法人まちづくり活性化土浦 - Facebook
- NPO法人まちづくり活性化土浦 (@kirarachan_bus) - Instagram
- 公共交通 - 土浦市
- 土浦市(茨城県):キララちゃん NPO運営によるまちづくり活性化バス - 国土交通省