【ソウル=桜井紀雄】犬肉を滋養食として食べる伝統がある韓国で9日、食用目的の犬の飼育や、調理した犬肉の販売などを禁じるいわゆる「犬食用禁止特別法」案が国会本会議で可決された。犬を食肉処理すれば、3年以下の懲役または罰金を科される。罰則は3年間の猶予期間を経て適用される。
韓国では、特に夏場の滋養食として犬肉を煮込んだ「補身湯(ポシンタン)」を食べる習慣が古くからあったが、近年は犬を「家族の一員」とみなして飼う家庭が増え、犬食の禁止を求める声が高まっていた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻は愛犬家で知られ、金建希(キム・ゴンヒ)夫人が法制化を熱心に呼びかけてきた。
世論の高まりから与野党ともに、特別法の推進方針を打ち出していた。本会議では出席議員210人のうち、2人が棄権したものの、反対票はなかった。
犬肉を食べる人は減ってきた一方、政府の集計では現在、食用に犬を飼育する農家は約1150戸、犬肉を扱う飲食店は約1600に上る。特別法には、国や自治体が業者の廃業や転業を支援する内容も盛り込まれたが、業者や犬食を伝統文化とみなす人々からの反発はしばらく続きそうだ。




