近代化遺産の三井化学・J工場解体へ 「東洋一のビル」
経済産業省の近代化産業遺産に選ばれている三井化学大牟田工場の「J工場」(福岡県大牟田市浅牟田町)が、老朽化のために解体される。同工場が24日に発表した。1938年の完成当時、「東洋一のビル」と呼ばれ、地元のシンボルとしても長く親しまれてきたが、83年の歴史に幕を閉じることになる。
発表によると、J工場は鉄筋コンクリート7階建てで、高さ47メートル、延べ床面積約2万2300平方メートル。三井鉱山の染料工場として建てられ、三井三池炭鉱の石炭から出る成分を使い、綿や麻、段ボールなどの合成染料を製造。ドイツなどの化学工場を視察して建設され、上の階から下に原料を落としていくことで、動力なしで次の化学反応の工程に進めるという合理性・経済性を持った施設で、化学工場の技術史上、貴重なものという。染料生産の減少に伴い、88年以降は飲料瓶のコーティング剤などを造っていたが、2008年3月末で工場としての役目を終えていた。
熊本地震発生後の17年の調査で耐震強度不足が判明。地域住民への説明を経て、正式に解体を決めた。今年9月から約1年間かけて解体する予定。同工場は「市民にとって思い入れのある建物だが、安全を優先させてもらうことにご理解を頂きたい」とする。外観や内部の映像は記録しており、今後、図面も作成。今夏に外部の見学会やライトアップといった記念イベントの開催を検討中という。
大牟田市の山田元樹・世界遺産・文化財室長は「日本の産業史にとって重要な建物。内部を見たが、保存に耐えられる状況ではなく、解体はやむを得ない。写真や図面などを提供して頂き、思い出として記録していきたい」と話した。
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